皮膚がんが日本でも急速に増えてきている以上、紫外線対策は、もはや美容のためだけでなく、健康のためにも欠かせないものとなっています。お子さんの場合、外で遊ぶことはお子さんの精神的、肉体的な健康のためにも非常に大切なことです。紫外線は恐ろしいけれども、お子さんには元気よく戸外で遊んでほしい・・・そのためにも、お子さんに対する紫外線対策は重要です。
ちなみに、かつて母子手帳に記載があった「日光浴」は、1998年から記載を削除されるようになりました。人は生まれてから生涯を通じて紫外線を浴び続けます。幼い、よく外で遊ぶ年齢から運動を活発にする青年期に少しでも紫外線を浴びる量を少なくすることが大切です。
お子さんの肌は大人よりもずっと敏感ですから、大人の肌が弱い方用と同様、低刺激性の日焼け止めを選ぶことが重要です。紫外線吸収剤が無配合の、「ノンケミカルタイプ」と呼ばれているものが、刺激が少ないようです。日焼け止めは、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類の成分で構成されています。肌の弱い方の場合、紫外線吸収剤がまれに肌に合わない方がいらっしゃいますので、お子さんのような肌の弱い年齢の方の場合も、紫外線吸収剤が無配合のものがまだ刺激が少ないといえるかも知れません。
特にアトピーのお子さんの場合は、特に気をつけて肌をこれ以上刺激しないものを専門の皮膚科医師によく相談して選択しましょう。
アトピー性皮膚炎の方のなかには、日光にあたって日焼けをすると、アトピー性皮膚炎の症状がかえってよくなるという方がいらっしゃいます。
昔から、紫外線には皮膚炎を抑える作用があることが知られてきました。「紫外線照射療法」として外用療法と併せて用いられる治療法のひとつです。
アトピー性皮膚炎の患者さんが、日焼けをして症状がよくなったというのも、日焼けによって炎症が抑えられ、皮膚の防御機能を高める効果によるものです。
しかし、これは必ずしもすべての人に有効に作用するとは限りません。アトピー性皮膚炎を起こしている人は、それでなくても肌が敏感な状態になっています。皮膚炎を起こしやすい状態であることから、わずかな刺激でも炎症が悪化したり、炎症を誘引することになりがちです。紫外線が刺激となることも、また日焼け止めが刺激となったりすることも十分に考えられるのです。
日焼けがその個人にとってどのような影響をもたらすかは、個々の患者さんそれぞれによって異なりますし、そのときの体調などにも大きく左右されるでしょう。
紫外線を浴びるときには、専門の皮膚科医師によく相談して、経験などに基づいて慎重に行うべきです。また、日焼けをするにしても、急激に、大量に紫外線を浴びるのはよくありません。徐々に焼いていく・・・というよりも、日焼け止めを弱いものにし、焼かないようにする効果を弱めていく、といったほうがいいくらいかもしれません。